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ポロックの作品から感じること。

2012/04/26
抽象絵画というと、なんだかよくわかないから嫌という方も多いと思いますが、
私は昔から、よくわからないけど五感が揺さぶられる感じが好きで、
好んで観に行きます。

そして、先日大好きなポロック展がやっていたので、
いそいそと出かけていきました。

ポロックというと、アクションペインティングという手法が有名ですが、
それは、地面においたキャンバスの上で、ペンキを棒や刷毛を動きながら、
垂らしたり描いたりしていく手法です。

直接下地に触れないで垂らした線は、細く繊細で、踊っているようです。

心赴くままの、とても自由な感じを直接的に感じながら、
さまざまな色やバリエーションで幾重にも重ねられた線からは、
表現しきれない表現したい強い思いというか、ある種の窮屈ささえ感じられます。
ポロックが、意図した表現でありながら、意図できないものも表現しているというような、
相反するいくつかのものが一緒にバシバシ伝わって、心が揺さぶられる感じでした。

またこの手法で描かれた作品は、その繊細な線の重なりから成っていることもあり、
埋め尽くされているようで埋め尽くされてもいず、
図と地がない表現でもあると言います。
それは、まさに混沌ともいえますが、何ものないともいえ、
ひとつ、またひとつと、作品を通して、たえず連想が広がり、
そして、そこから感じた言葉を探すやりとりが自分の中でくりひろげられるのです。

あれこれ思いをめぐらせるうちに、
人間とは…、宇宙とは…、生きるとは、死ぬとは…、
美とは、醜悪とは…と。強さとは、弱さとは、なんだろう…。
本当に見れば見るほど、いろいろな思いが起こる作品なのです。

とらえたいけどとらえられない、わかりたいけど、わかることができない。
もどかしいけど、決して目を離せない…
言葉や思いが決して固定されず、常に新しい何かへと導かれるような感覚。

そして今このブログを描きながら、20年近く前に初めてポロックを見た後、
ポロックがどんな気持ちで作品を仕上げたんだろうと知りたくてたまらなくなり、
自分で絵の具を垂らしたり撥ねたりしながら、
まねして描いてみたことがあったことも思い出しました。

と、思うままに書いてしまいましたが、ポロックの作品をみて感じるこの体験…。

みなさんは、どのように体験されますか?

(HK)

art15_01[1]
17:51 その他 | コメント(1) | トラックバック(0)
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